【最新鋭16列MDCT(マルチディテクターCT)導入および検査開始のご紹介】

放射線科部長 松浦 隆志

 近年のIT技術の進歩は目覚しく医療器機の進歩もめまぐるしいものがあります。浜の町病院ではこの進歩に常に乗り遅れないように努力してまいりました。昨年から1昨年にかけて最新鋭1.5TMRIおよび核医学検査装置を新規導入し本誌上でご紹介しました。現在順調に稼動し高品質の医療を日々提供しております。昨年の高額医療機器整備に続いて本年、平成17年1月より最新鋭コンピューター断層撮影装置16列MDCT(Multi Detector-row CT:マルチスライスCT)を増設導入し、本格稼動を開始致しております。今回はこの16列MDCTについてご紹介いたします。

 従来のCTはシングルスライスヘリカルCTと呼ばれ、X線管球に対する検出器が1列でしたが、今回のMDCTはテーブル移動方向(体の長軸方向に複数の検出器が配置されているのが最大の特徴です。16列ということは16個検出器が並んでいることを意味しています。)このことにより従来と比べ極めて短時間(単純に計算して16倍の速度)に、また、管球や検出器の性能向上により、これまで以上に詳細なデータの収集が可能となりました。

図1:東芝メディカル社製16列Aquilion Advanced Multislice CT

図1:東芝メディカル社製16列Aquilion Advanced Multislice CT

図2

図2


 今回当院が導入した装置は東芝メディカル社製16列Aquilion Advanced Multislice CT(図1)で検査はきわめて短時間に広範囲に行うことができるようになりました(図2)。しかし、このMDCTの膨大なデータをさらに生かすためには、画像処理用ワークステーションが必要不可欠で、当院では、同時に高性能大容量画像解析コンピューターシステムも導入いたしました。これにより従来のCTでは体軸に平行な輪切りの像しか画像化できませんでしたが、MR検査のような冠状断や矢状断での観察が可能となり画面上で自由に回転させることも可能となりました(図3)。また、従来CTで行っていた同じ末梢静脈からの造影剤投与によって血管の情報だけを取り出して画像化可能で、動脈からカテーテルを挿入して行っていた血管造影と同じ画像をえることが可能となりました(図4,5)。さらに高速に撮影ができる長所を生かして心臓カテーテル検査と同様の画像(図6)を得たり、コンピューターによる再構成で造影剤を使うことなく胃や大腸の内視鏡と同じ様な画像(仮想内視鏡像)を作成すること(図7)も可能となりました。

図3:早期肺癌症例(冠状断像)

図3:早期肺癌症例(冠状断像)

図4:左椎骨動脈瘤(MDCT3D血管造影像)

図4:左椎骨動脈瘤(MDCT3D血管造影像)

図5:MDCTによる腹部血管造影像

図5:MDCTによる腹部血管造影像

図6:左冠動脈前下行枝塞栓症例(MDCTによる再構成画像)

図6:左冠動脈前下行枝塞栓症例(MDCTによる再構成画像)

図7:早期胃癌ⅡaのMDCTによる仮想内視鏡像

図7:早期胃癌ⅡaのMDCTによる仮想内視鏡像


 この最新16列MDCTについてもっと詳しく知りたいなどのご希望がございましたら、各担当医あるいは放射線科外来までお気軽におたずねください。浜の町病院放射線部は常に、患者様のために、優しく、正確で、迅速な検査、治療を行うよう努力しております。

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