浜の町病院血液内科は、様々な血液疾患が、できるだけ治るよう、つきあっていけるよう、個々の患者さんに応じて、患者さん・ご家族の立場に立って、スタッフ一丸となり、経験と技術、情報をフルに活用し、チーム医療を推進しています。「浜の町病院に来てよかった」と言っていただけるように、これからも、一歩一歩前進していきたいと考えています。
白血球・リンパ球の異常
急性白血病、慢性白血病、骨髄異形成症候群
悪性リンパ腫、成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)
多発性骨髄腫
赤血球の異常
各種貧血、再生不良性貧血、多血症
血小板・凝固系の異常
血小板減少性紫斑病、血小板増多症、血友病、播種性血管内凝固症候群
支持療法
好中球減少時や免疫抑制状態に対しては、感染の予防および治療、無菌室管理
貧血や血小板減少・出血傾向に対しては、輸血製剤の適正使用と副作用対策
浜の町病院血液内科は、病院開院とともに始まった福岡市でも最も伝統ある血液専門科です。1990年より難治性血液疾患の治癒を目指した造血幹細胞移植が開始されました。兄弟間同種骨髄移植、自己末梢血幹細胞移植に始まり、1991年には九州骨髄バンク、1993年には日本骨髄バンクからの非血縁者間骨髄移植、1998年より臍帯血移植、同種末梢血幹細胞移植も開始しました。2010年12月までに累計で同種移植(ドナーからの移植)525例、自家移植(自分の細胞の移植)173例、計698例の移植を行いました。現在では当たり前ですが、当初より自家移植も同種移植もできる国内でも数少ない移植センターとして成長してきています。
現在、5人の血液専門医スタッフと1人のレジデントをそろえ、良性から悪性までの血液疾患全般を扱っています。
外来は血液専門外来を平日毎日開設しています。新患、再来を分けることにより、できるだけ患者さんをお待たせしないように努めています。外来での輸血療法も行えます。外来化学療法室を備え、悪性リンパ腫や多発性骨髄腫などの外来化学療法も行っています。
病棟では、難治性血液疾患といわれる白血病、骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫の患者さんに対し、治癒を目指した化学療法、造血幹細胞移植を積極的に行っています。当院は、日本骨髄バンクおよび日本さい帯血バンクネットワーク認定施設となっており、年間50-70例の造血幹細胞移植を行っています。高齢者や臓器障害をかかえた患者さんに対しても、移植前の治療を軽くした同種移植(いわゆるミニ移植)を行っています。
2010年の実績ですが、入院で取り扱った延べ症例数は628例でした。外来は、新患が614例、再来が8194例でした。外来・直接入院を合わせた紹介患者数は709例であり、72%が福岡市内より、19%が福岡市以外の県内より、9%が県外からの紹介でした。
入院での主要疾患の内訳は(実症例数)、急性骨髄性白血病50例、急性リンパ性白血病17例、骨髄異形成症候群34例、慢性骨髄性白血病7例、慢性リンパ性白血病6例、悪性リンパ腫89例、成人T細胞白血病リンパ腫22例、多発性骨髄腫39例、再生不良性貧血7例、特発性血小板減少性紫斑病12例、発作性夜間血色素尿症4例でした。
造血幹細胞移植例は同種移植が47例、自家移植が15例、計62例でした。同種移植では骨髄バンクからの移植が22例、臍帯血移植が10例と、非血縁者からの移植が7割を占めています。血縁者間移植では骨髄移植が7例、末梢血幹細胞移植が8例とほぼ同数でした。年齢は17-72歳(中央値53歳)、26例がミニ移植でした。病気としては、急性白血病21例、慢性白血病2例、骨髄異形成症候群8例、悪性リンパ腫4例、成人T細胞性白血病リンパ腫8例、再生不良性貧血2例でした。自家移植は43-71歳(中央値61歳)で、病気の内訳は9例が悪性リンパ腫、5例が多発性骨髄腫、1例が急性骨髄性白血病でした。
血液疾患の領域は、グリベック・タシグナ・スプリセル(慢性骨髄性白血病の治療薬)、リツキサン・トレアキシン(悪性リンパ腫の治療薬)、ベルケイド・サレド(サリドマイド)・レブラミド(多発性骨髄腫の治療薬)、ビダーザ(骨髄異形成症候群の治療薬)など、新薬の開発がめざましく、その進歩には目を見張るものがあります。当院では、いずれの薬剤もできるだけ早く採用し、対応できるように努めています。診療体制としてはチーム医療の体制とし、定期的にカンファレンスを開き(院内、院外)、豊かな経験と最新のエビデンスに基づき 常に質の高い医療を目指しております。
看護スタッフも積極的に活動しています。最近は移植後QOLの改善を目的とし、リハビリや心理療法支援などにも充実してきました(専属の臨床心理士もスタッフとしています)。2010年は院内TQM (total quality management)の一環として無菌食の改善に取り組みました(優勝しました)。
| 血液センター | 部長 | 衛藤 徹也 |
| 血液病科 | 医長 | 平安山 英穂 |
当院では2004年6月より、九州の若手の血液専門を志す医師を対象に、造血幹細胞移植を様々な観点から勉強し討論するという 手作りの講演会を開いています。会の趣旨は、なるべく少人数で集まって、「九州の若手」の先生が「ザックバランにそして本音で」話し合い、学会等で得られない生きた情報を交換し合うといったものです。